ヒッチコックの『暗殺者の家』(1934)を観る。原題はThe Man Who Knew Too Muchで、後に、ハリウッドでリメイクされた(邦題『知りすぎていた男』)。
アルバート・ホールで音楽コンサートの音に紛れての暗殺未遂のシーンが緊張感に満ちている。これをみて『ゴッドファーザーⅢ』のオペラ劇場での暗殺のシーンがこのシーンをなぞっていることに気がついた。
フリッツ・ラングの『M』(1931)で幼児連続殺人者を演じたピーター・ローレ(Peter Lorre)がここでは暗殺者集団の首領役を演じている。優雅な身振りと笑顔の裏に残忍さをうちにひめた童顔な小男で印象深い。彼の持つ懐中時計がチーン、チーンと鳴るののが効果的につかわれていた。